Oiva Toikka Glass and Designを読み、思ったことや調べたことを書いています。
長いシリーズになると思いますので、気長にお付き合いください😊
カステヘルミ、FRORAに続き、今回は「BANBOO」のお話です。
「BANBOO」
1967年~69年の3年間製造されていました。
2021年にOivaToikkaの功績をたたえ「The Curious Mind of Oiva Toikka」のシリーズの1つとして復刻されています。
花瓶としての実用性もありながら、ただ飾るだけでも美しく世界中で人気の作品です。
「竹」をモチーフにしていますが、黄色や赤色、紫色など非常にカラフルで見ているだけで心が元気になる気がします☺️
「竹」について…
竹はフィンランドには自生していません。
竹は、気候が温暖で湿潤な環境で育つ植物で、赤道を中心に北緯・南緯共に40度辺りまで分布します。竹類の北限は日本になるようです。
カステヘルミもそうですが、Oivaデザインは身近にあるものをモチーフにしたものが多いのです。フィンランドに自生していない竹をモチーフにしようと思ったのはどういう理由でしょうか・・・🤔❓
当時から竹も輸入されていたのか、もしくはArabia時代の仲間でありアメリカ留学経験のあるKyllikki Salmenhaara(キーリッキ・サルメンハーラ)に聞いたのか?なんていろいろな想像をしてしまいます😌💚
残念ながらその理由は、この本には綴られていませんでした。
ただ自生していないからこそ、自由な発想で「BANBOO」が出来たのだと私は思います🍀
私の自宅には、竹のお湯のみがあるのですが(もちろんこれも好きです)、やはり竹本来のイメージに近く、カラフルなデザインはなかなか思いつかないかもしれないなあと思いました。
BANBOOの3つの装飾形態について
BANBOOといえば、ガラスの表面に凹凸があるイメージ(下写真)ですが
実際には凹凸があるBANBOOが製造販売される前に、凹凸のないBANBOO(下写真)も製作されていて、2021年復刻のBANBOOはここからきたのだということが分かりました。
1967年にこのBANBOOは展覧会(スウェーデンの著明なガラスアーティストBertil Vallienと共催)に出品され、大きな評判を得ました。
2人の展覧会は、伝統的な束縛から解放された自由奔放さも受け入れられ、評価されました。
BANBOOには凹凸あり・なし以外にもバリエーションがあるようで、細かな装飾がなされているものもこの展覧会には出品されています。
もしも次にiitallaから新しいBANBOOがでるとすれば、装飾があるBANBOOかもしれませんね。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
Oiva 足跡 年表(自分の備忘録的な目的です)
・1931年 5月29日 Oiva Toikka 誕生
・1953年 ヘルシンキ工業大学陶芸学科に入学
・1956年 Nuutajarviの工場で研修生として働く
・1956~1959年 Arabia在籍
・1959年 秋 ヘルシンキの芸術教育学科に入学し、教員資格を取得
・1960~1963年 高校の美術教師
・1963年 Nuutajarviの工場 デザインチームに入職
・1964年 カステヘルミ(Kastegelmi)デザイン
・1966年 FRORA デザイン
・1967年 BANBOO デザイン
参考文献
Oiva Toikka Glass and Design
BANBOO Home Page 竹・笹の分布図(渡辺政俊 1987)